大腸CT検査のご案内
大腸CT検査のご案内
近年大腸がんは死因の原因として増え続けており、2021年のがん部位別死亡数は女性第1位、男性の第2位となっています。これはわれわれ消化器内科医としては大変残念な結果です。大腸がんは早期であれば完治できる可能性が高く、もっと早期に大腸がんを発見することができれば死亡数を減らせるはずだからです。そのため便潜血検査陽性の方や、便通が気になる方、大腸がんの家族歴のある方などは必ず大腸がんの精密検査を受けていただきたいと考えています。
しかし、大腸がんの精密検査は内視鏡が主であり検査を受けることに抵抗感を持つ方もいると思われます。当院でも女性や高齢の患者さまなどで内視鏡検査は大変だからと敬遠される方もいらっしゃいます。
そこで、当院ではより多くの患者さまに大腸がん検査を受けていただけるように大腸CTを導入しました。大腸CTは内視鏡検査よりは検査の負担も少なく、10~15分程度で検査も終わるため比較的気軽に受けていただける検査です。下記にも検査の詳細を載せますのでご確認ください。
検査方法
検査予約
外来受診していただき医師の診察のうえ予約をします。
検査前日
検査前日は朝から検査食を食べていただき、毎食ごとに少量の造影剤を飲みます。夜には下剤を服用します。
検査当日
13時以降に来院していただきます。
検査着に着替え、検査室に入ってからCTの検査台に横になります。
医師による肛門部の診察の後、細い管を10cm程度挿入し、管から炭酸ガスを注入し大腸を膨らませてCT撮影を2方向(主に仰向けと横向き)でそれぞれ行って終了です。検査室に入ってから終了まで 10~15分程度です。
検査後は生活に特に制限はありません。
検査結果
約2週間後に外来で説明となります。
大腸CTと大腸内視鏡のメリットとデメリット
大腸CTのメリット
検査中一時的に腹が張る感じはありますが痛みが少なく腸に穴が開いたり出血などの合併症がほぼありません。
大腸CTのデメリット
扁平な病変や5mm以下のポリープは検出できない可能性があります。検査のみで治療はできません。低線量ですが放射線を使用しています。
大腸内視鏡検査のメリット
100%ではないですが小さなポリープまで発見できます。検査と同時にポリープの治療も行えます。
大腸内視鏡検査のデメリット
熟練した医師が慎重に行うことでデメリットはあまりありません。痛みを感じたり腸に穴があくなどの合併症の可能性はゼロではないため高齢者や女性には負担と感じることはあります。
大腸内視鏡検査か大腸CTかの選択について
大腸内視鏡と大腸CTはそれぞれメリット、デメリットがあり一概にどちらが良いといいにくい部分もあります。前述したように大腸がんは早期発見できれば完治できる可能性が高いため、当院としては大腸がんの精密検査はどちらでもよいので必ず受けていただくことが重要と考えています。
当院は院長を中心に熟練した医師が内視鏡を行っているので、健康な方で大腸内視鏡に抵抗のない方はできるだけ大腸内視鏡を選択していただき、高齢者や術後で腸管が癒着している方、若年でも内視鏡にどうしても抵抗がある方は大腸CTを選択することをお勧めしています。