大腸内視鏡検査
院長をはじめ慈恵医大内視鏡医が丁寧で苦痛の少ない検査を心がけております。大腸ポリープ切除も行っております。
大腸がんは食生活の欧米化した日本では増加傾向にあります。大腸がんには直腸がんと結腸がんがありますが、特に結腸がんが急速に増加しています。動物性の脂肪を摂ると、消化を助けるために胆汁酸が多く分泌されます。脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。
大腸カメラ(下部内視鏡検査)は、粘膜の様子(色調、凹凸など)を直接観察することができ、 大腸ポリープの発見など、他の検査では検出できない微細な変化を捉えることができるため、がんの早期発見に非常に有効です。大腸がんは、他のがんに比べて早期発見時の治癒率が高いため、現在症状がなくても、定期的に検査を受けることをお勧めしています。
しかしながら、大腸内視鏡検査は専門的な技術を要するため実施している医療機関は多くはありません。大腸内視鏡検査は、医師にとっても熟練した技術を要する検査です(長い大腸の曲がりくねった深部にやわらかい内視鏡を挿入しなければなりません)。また、挿入だけでなく、病気を的確に診断することが必要です。当院では内視鏡専門医がこの検査を担当いたします。
こんな方は大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう
大腸の症状を引き起こす原因には、潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸ポリープ・大腸がんなどがありますが、初期症状が出にくいものもあります。そのため、早めに検査を受けてしっかりと身体の状態を把握しておくことが重要です。以下のチェック項目に当てはまる方は、一度検査を受けてみることをお勧めします。
このような方は検査をお勧めします。
大腸の症状を引き起こす原因には、潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸ポリープ・大腸がんなどがありますが、初期症状が出にくいものもあります。そのため、早めに検査を受けてしっかりと身体の状態を把握しておくことが重要です。以下のチェック項目に当てはまる方は、一度検査を受けてみることをお勧めします。
便潜血検査が陽性だった方 |
以前大腸にポリープがあると言われた方 |
家族に大腸がんになった人がいる方 |
便通に異常がある方(便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返すなど) |
便に血が混じる方 |
50歳以上の方 |
当院の大腸内視鏡検査の特徴
苦痛の少ない検査を目指しています
大腸内視鏡検査で患者さんが苦しいと感じる主な原因は、内視鏡を挿入する際にスコープにより腸が伸ばされてしまうことと、スコープの先から出る空気により腸が膨れてしまうことです。そのため当院では検査の際、内視鏡を極力押さずに屈曲した腸を1枚1枚丁寧にめくり、できるだけ腸を伸ばさず直線化させながら内視鏡を進めていきます。また内視鏡用炭酸ガス送気装置(UCR)を使用し、腸が膨れないように配慮しております。
これらにより、痛みをほとんど感じない患者さんに優しい検査を行うように努めております。
鎮静剤(麻酔)使用して検査します
原則、鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、苦痛の少ない検査を行います。精神的にも身体的にもリラックスして検査が受けられます。痛みをごまかすための強力な鎮静剤(麻酔)ではありませんので、呼びかけると少し意識が戻る程度の軽い麻酔です。検査中は呼吸モニターを使用し、安全に検査を受けていただけます。
ポリープが見つかればその場で切除します
大腸内視鏡検査によって大腸ポリープが発見された場合、形態・大きさによっては日帰り手術を行うことが可能です。 当院で治療の対象となるのは通常大きさ5mm以上10mm以下のポリープです。ポリープの大きさや形、個数により外来では切除できないこともあります。その際は、然るべき病院を速やかにご紹介致します
内視鏡用炭酸ガス送気装置(UCR)の使用
通常送気(室内空気)に比べて粘膜から吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を使用し、検査後のおなかの張りが無くなります。室内空気では検査中に注入した空気により、検査終了後に腹部の膨満感や不快感を訴える方がおられましたが,CO2送気では腸管内で速やかに吸収されるため検査後の苦痛を軽減します。患者さんからは非常に楽であったとご好評を頂いております
最新の内視鏡システムを採用 ~NBI内視鏡~
当院では業界トップシェアであるオリンパス社の最上位機種の内視鏡システム本体(EVIS LUCERA ELITE)を導入しています。これは大学病院や総合病院と同等、それ以上のシステムです。
特殊光観察機能(NBI)を備えた電子内視鏡を用いて、精度の高い検査を行います。NBIとは、スペクトル幅の狭い特殊な光を使うことにより、粘膜表層の血管の走行状態を見ることができる機能です。これを使うことで、がん特有の血管走行や血管の増加が見つけやすくなり、病変の早期発見につながります。
通常光による大腸腺腫の観察像例
NBIによる大腸腺腫の観察像例
安心の内視鏡消毒システムを採用
近年、医療機器を介した感染例が問題となっております。当院では検査ごとに日本内視鏡学会が推奨している方法で洗浄・消毒を行っております。
安全面への配慮
平成27年に内視鏡検査に特化するため院内をリフォームしました。
大腸内視鏡の前処置室や、検査後のリカバリールームを設け、内視鏡専門の看護スタッフを配置して安心して快適に検査を受けていただけるよう配慮しております。
大腸内視鏡検査のその他のメニュー
大腸内視鏡検査の流れ
初回診察
まずは、問診等の診察を行い、症状や考えられる原因を診断します。大腸内視鏡検査が必要で、患者さんも納得された場合には、検査実施日を決めます。
検査前日~当日の朝
検査前日の夜から、下剤や腸の動きを良くするためのお薬を飲んで頂きます。
ご来院~検査準備
完全に腸の中がカラになるまで準備をして頂き、検査実施前に鎮静剤を注射します。
検査
麻酔ゼリーを肛門に塗り、内視鏡で大腸の中を検査していきます。検査時間は15分程度です。ポリープなどが発見された場合は、出血などの恐れがありますので、その場で除去はせずに検査用に少し細胞を採取します。そして、後日検査結果に基づいて、除去する必要であると判断されれば大学病院などに紹介をさせて頂きます。
検査結果の説明
意識がはっきりしてくるまでお休み頂きます。その後、写真をお見せしながら医師が検査結果を説明します。
ご帰宅
検査終了後はできるだけ安静にし、車の運転やスポーツは避けてください。お仕事もできるだけお休み頂いた方が良いかと思います。